都市とジャンクション

2018 新年スペシャル:ヨシヒコに聞く

“The City of Juncture”は10枚の写真からなるヨシヒコの新しい都市景観シリーズである。

全てパノラマで撮影されており、東京のジャンクション7つ大阪のジャンクション3つで構成されている。彼は新しいシリーズで何を表現したかったのか?

シリーズのコンセプトは?

シティスケイプとしのジャンクションを撮影したかったんだ。あの存在感のある構造体は日本で都市景観を撮影するにあたってとても重要だと思う。

ジャンクションというと特にその奇抜なカーブや、混沌とした絡み合った道路を超広角レンズで強調する写真が多いよね。

私も“Calculated Chaos”ではそのスタイルを踏襲したけど今回は別のアプローチをしたかったんだ。

両国ジャンクション

「”SHBW” カラーテクニックの元は完成したBWイメージなんだ。」

なぜパノラマか?

あくまでも主役はジャンクションだが、その立地、周りの風景も取り込みたかったんだ。

そうすることでなぜそのジャンクションがなぜそういった形状をしているかより深く理解できると思ったからだ。超広角レンズを使うと周りの風景も取り込めるが、その分周辺の歪も大きくなる。

それは望んでいなかったし避けたかった。周りの建物やビル、信号も含めて正確に描写したかったんだ。それにはPCレンズを使ったパノラマが一番適していた。

HIGHWAY KING:Calculated Chaos 1 by Yoshihiko Wada on 500px.com

「”Calculated Chaos” ではジャンクションのユニークな構造に注目して制作した。その際周りの情景は極力フレームに入れないようにしたんだ。」

ジャンクションといえば夜景撮影が人気だが、なぜ日中の長時間露光か?

ジャンクション夜景は確かに綺麗だし人気がある。しかしまばゆい光に目がしまうため向かい、構造物としてのジャンクションを撮影しようとするとそれらはかえって邪魔になってしまうと感じた。

むしろ、日中の長時間露光により、歩行者や車などを消し去り、街中の構造物としてのジャンクションを強調したかった。昼間の方が周囲の建物も良く見えるしね。

でも江北ジャンクションは長時間露光ではないだ。あそこは人もほとんどいないし、太陽が良い場所にあったので長時間露光をする必要がなかった。

TIME MACHINE by Yoshihiko Wada on 500px.com

「ジャンクション夜景は確かに綺麗だし人気がある。しかしまばゆい光に目がしまうため向かい、構造物としてのジャンクションを撮影しようとするとそれらはかえって邪魔になってしまうと感じた。」

なぜカラーか?

私の制作の中心はモノクロだし、実際このシリーズも一度モノクロ作品として完成させているんだ。ただ何かが足りない気がずっとしていた。それが公に発表してこなかった理由なんだ。10枚の写真の中でもモノクロ作品として充分な魅力を持ったものもあるんだけど、10枚並べてみたときに説得力が足りない、と感じていた。何か抜け落ちている気がした。

特に両国ジャンクション、堀北ジャンクションで、“赤”のラインはその構造物を特徴づけている物の一つだ。やはりその”赤“を消してしまうというのは・・常に罪の意識を感じていたよ。

B&W version of TCJ1:Ryogoku JCT.

Color(original) version of TCJ1:Ryogoku JCT.

SHBWとは? セレクティブカラーとの違いは?

“Super Hybrid Black and White”の頭文字だ。

まずモノクロ写真がベースになっているということ。それにカラーの良いところをブレンドしているところから名づけたんだ。

“Super” は“Slightly(colored)”でも良いと思うけど、SUPERの方がかっこいいよね。

セレクティブカラーではないよ。セレクティブカラーの定義、私が考えるには、一か所、もしくは二か所、ぐらいまでかな。

ただ単純にオリジナル画像をベースにしたカラーは、それはそれで、散漫な印象だった。

トーンを試したり、ダブルトーンも試した。悪くはなかったがベストではなかった。トーンを加えて上手くいく写真というのは、トーンなしでも上手くいってる写真なんだ。

何かが足りないと思っているモノクロ写真をトーンでごまかしても駄目だと思う。まずは

完成したモノクロバージョンをベースに、強調したい色だけを戻してみることにした。ただそれだけだと、セレクティブカラーのようになってしまって不自然だった。モノクロ写真のシンプルさ、そして“色”が邪魔にならないような組み合わせを研究したよ。

そして逆に強調したくない部分に色を少しもどしたら、構造物が浮き出て見えることに気づいたんだ。まああとは一言では言えないいろいろと細かな調整はしているよ。

Welcome to the Hall by Yoshihiko Wada on 500px.com

“Welcome to the Hall” (Double tone ver). トーンに頼りすぎてはダメだ。まずはしっかりと説得力のあるモノクロイメージを完成させることが先決だ。

Welcome to the Hall

“Welcome to the Hall” (B&W ver.)

今年はどんな被写体を撮る?

去年は私の好きな橋を一枚も撮ってないんだ。今思うとないよ!だから来年はまた“橋”をたくさん撮りたいと思っているんだ。

まだ日本でも撮ってない橋はたくさんあるしね。ただ当面はLAで撮った写真がたくさんあるのでそれを仕上げることに専念しようかな。

TLC 7 : The Promised Land

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